「外国人材を紹介したい」という声をよく聞くようになった。いい目の付け所だとは思うが、いくつか考えるべきことがある。
まずは「外国人材」の継続的な確保について。日本ですでに働いている外国人材の場合、在留資格を持って働いている人だが、その人数には限りがあるので、彼らの転職支援だけでは「外国人材」の継続的な供給には、おのずと限界がある。となれば海外在住の外国人で、日本で働きたいという人材を開拓して日本に連れてくることになるが、これがなかなか簡単なことではないのだ。
逆に言えば、そこをうまく手配することができるのであれば、「外国人材の人材紹介業」がうまくいく可能性が出てくる。
次に「在留資格」の内容を押さえておく必要がある。現在30種の職種で在留資格があるが、主に専門性の高い人材、つまり専門職が求められる傾向にある。
また、外国人材が日本で働く場合、日本語が堪能であることが求められるケースが多い。つまり、日本語のできる外国人材をどう確保するか、そこも大事なポイントになる。
以上を踏まえたうえで、原点に立ち返り、「外国人材を必要とする企業、職場はどこにあるか」そのトレンドを知ることが最大のポイントになる。例えば、恒常的な人材不足に直面している業界や職種は何か、5年後、10年後にその業界の人材のニーズはどう変化していくのか、このあたりの先読みをしたうえで、業界ニーズにこたえていければビジネスになるのではないだろうか。
外国人材の出身国を特定の国、たとえばフィリピンやインドネシア、ベトナムというように絞って取り組むのもいい。また、紹介する職種をプログラマー、介護職というように、職種で絞ることも戦略としては効果的であろう。それぞれの国で英語が得意、ITが得意、手先が器用、サービス業に向いているなど、国民性の特徴もある。ユニークなところでは、旧ソビエト連邦の国からの招聘などに取り組む人もいる。ようは、どんな時でも独自の人材供給ルートを持つことが大切なのである。
大切なことは、日本の職場で働くことができる外国人材を開拓できるかどうかである。外国人材に労働市場を開放しつつある日本では、今後は都心部と地方の両方にて、「外国人材の紹介」がますます注目されていくことだろう。