人材紹介ビジネスの基本

シニア人材の紹介は難しいのか

なぜこのような問いが生まれるかといえば、「シニア人材の採用は難しい」という見方があるからだ。2つの理由が考えられる。

①シニア人材に求められる募集要件や人物像について担当コンサルタントが十分に理解できるかどうか。

②シニア人材は求めることが多く、担当コンサルタントが要求にこたえられるかどうか。

前者の理由であるが、自分自身が管理職を経験したことがなかったり、社会人経験が十分ないことが原因かもしれない。優秀なシニア人材を見極める自信がないという人もいることだろう。その場合、遠慮することなく企業担当者に繰り返し真意を問いただすべきである。また、多くのシニア人材と会い、話を聞くことで、だんだんとシニア人材にも慣れていくものだ。自分自身がシニア人材の仲間入りをしてみるといずれ誰もがわかるが、シニア人材だけが何か特別なわけではない。誰もが不安を抱え、一方で少し背伸びをし、現状よりも未来を良くしたいと願っている点では、若手も中堅もシニア人材も同じである。

後者の理由であるが、シニア人材と十分に話し合ったことがない人であれば、そうした心配を持つことも理解できる。シニア人材の中には担当コンサルタントに対して威圧的な態度を取る人もいるが、多くのシニア人材は若手や中堅人材よりもむしろ協力的であり、いわゆる器の大きい人物も多いため、それほど心配をすることはない。シニア人材の視点に立ち、できる限り有益な情報を集めること、そしてどんな場合でも早いレスポンスをすることを心がけていれば、相手の肩書や年齢、経験の豊かさなどに委縮する必要はない。シニア人材の面談をする際に、社内のシニア人材や先輩社員などに同席を求めてもいいかもしれない。

このように、シニア人材の紹介が、特に難易度が高いというわけではないのである。若手人材や中堅人材の採用とは、その難しさや注意点のポイントが異なるというだけだ。多くのコンサルタントにシニア人材の採用支援に挑戦してほしい。