人材ビジネスのトレンド

【All About記事/分析】「グループ外出向」、人材紹介業への影響は

All About (更新日:2020年12月2日)に掲載された記事を紹介する。

ANAグループ外出向の衝撃! 30代・40代の転職市場価値は今後どうなるか [転職のノウハウ] All About

本記事は「グループ外出向」と「30代・40代」の転職市場価値について考察したものだが、人材紹介業界にとって「グループ外出向」が広がることが、どのようなビジネスチャンスを生むかについて考察したい。

グループ外出向により起きる出来事は、「異業種/異職種転職に相当する経験をする人材の増加」である。転職市場では、転職希望者の未経験・実績なしを認める求人案件は少ない。一部の若手採用で例外がある場合を除けば、ほとんどの場合、中途採用では求職者に何らかの関連した経験と実績を求めるのが一般的だ。

グループ外出向を経験する人は、グループ内出向を経験する人と比べて、より大きく異なる異業種/異職種経験を積む可能性が高い。このため、本来は未経験・実績なしが原因で転職が実現しない会社へのキャリアチェンジが実現するわけであり、出向先の会社で一定の経験と実績を積めば、出向前には想定できなかったような業界や職種への転職が実現するキャリアを築く人も出てくる。さらに、大きなキャリアチェンジをするのはこれまでは若い世代が中心だったが、グループ外出向によってあらゆる世代で、大きなキャリアチェンジをし、そこで新たな経験と実績を積んだ人材が生まれる可能性がある。

つまり、こうした傾向が今後広がっていったとき、人材紹介業界にとっては新たな人材開拓、そして転職者支援の可能性が生まれるのではないだろうか。人材獲得がビジネスの鍵となる人材紹介業界にとって、グループ外出向の動きは、今後しばらく注目するに値するだろう。