人材ビジネスのトレンド

【All About記事/分析】転職に不利な条件を克服するために

All About(更新日:2021年4月19日)に掲載された記事を紹介する。

転職回数が多い、職歴にブランクがある、勤続年数が短い人の面接逆転術とは [転職のノウハウ] All About

記事の中に、「人材エージェントが企業から人材の紹介依頼を受ける時、それらの特徴(転職回数の多さ・職歴のブランク・勤続年数の短さ)に対して懸念を示す面接官がいることに気づかされることがある。」という記述があるが、この部分を少し掘り下げたい。

仮に書類選考に通った場合でも、面接を終えて本人が通過できなかった場合、その理由として「キャリアのブランクについて、納得できる説明を得られなかった」と言われることがある。本来、これは本人の仕事に対する能力や経験、スキルに関するフィードバックではなく、むしろ本人の人物像に対する信頼性に懸念を持ったことが原因で採用したいと思えなかったと言われたのも同然である。つまり、本記事で取り上げている転職活動で不利に働くことがある3つのポイントは、本人がどれだけ業務遂行能力があり、会社に貢献した実績を持っていたとしても、人物像に対する一種の先入観を持つ面接官が、その懸念を本人とのコミュニケーションの中で十分にぬぐえなかったこと、いわゆる信頼性に対する懸念が能力や実績に対する信頼を勝ってしまった結果である。これは双方にとって、とても残念なことだ。

転職回数の多さやキャリアのブランク、そして勤続年数の短さなどは、外的な要因で起きる場合や、避けられなかった状況が原因となることも多く、必ずしも本人に落ち度がないことも多い。もちろんこれらは個人差があることであり、実際に面接官の懸念が的中して、実際に採用後、業務遂行能力に疑問が生じたり、実績に偽りがある場合もあるから、面接の時点で警戒を強める面接官がいたとしても不思議でないことは、記事でも指摘されている。

人材エージェントとしてできることは何だろうか。

上述した3つの状況がある求職者と遭遇した場合、良きコミュニケーションパートナーとなり、どうしたら面接官の持つ懸念を薄めることができるか、どのようなトーンで、何をどの順番でどのくらい説明すればいいのか、その具体的事例の使い方なども含めて、事前に練習して差し上げること、これが人材エージェントに求められる仕事ではないだろうか。

人材エージェントは責任重大である。